2012年05月15日

最期をどう選択するか

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先代の犬を亡くしたのはもう何十年も前になります。
そして今また犬を飼って、その犬が不治の病にかかった時にどうするか
どこまで治療をし、どこから治療をしないのかなど
考えたくもなく、でもとてつもなく不安でもあります。

海外では安楽死も飼い主の責任として、命を天にまかせる日本とは文化が違うように思います。
神のもと人間が動物より上位の存在と位置づけるキリスト教の文化では
苦渋の選択ながらも犬が苦しむ場合には安楽死をさせるケースが多いと感じています。


先日アメリカのウエステイのクリオ君が膀胱癌になり、余命半年と宣告されました。
外科手術をすれば1年、それにキモセラピーをすれば余命は延びると。
治療費のこともあるし、飼い主ジュデイーさんのどうするべきかという相談に
わたしが尊敬するウエスの達人ジェーンさんが次のようなメールを送りました。


ジュデイー、あなたのジレンマは分かります。 わたしも15年前に最初のウエステイが同じ膀胱癌でした。 
当時はまだそれほど治療の選択肢はなく、手術やキモセラピーも獣医には薦められませんでした。 
そして薦められなくて良かった。なぜならその選択肢は、当人よりわたしのためだったからです。

ウインザー(ウエスの名)は10歳で、同じ病気を宣告されたときわたしは絶望しました。
当時はピロキシカムという人間の膀胱癌が改善する薬を見つけて服用させましたが、
あとは免疫を高めるサプリメントを与えただけでした。 

当時はまだ生食をやっていなかったのですが、その時にドライフードをやめて
手作り料理に変え子羊、サーモンとなんでも食べたい物を食べさせました。 

獣医はウインザーが良い状態を維持していたので驚いていました。 
最後まで病気があるとは分からないぐらいでした。
膀胱癌でしたから、赤ちゃんのおむつに尾を通す穴をあけ着せて
ウインザーは余生のQOL(クオリテイオブライフ)を維持して生きました。

わたしはとてもウインザーを愛し、自分の子供のように思っていました。
もし腎臓が必要だったらわたしの腎臓をあげたでしょう。
しかしこのときわたしはウインザーの命の長さでなく、質を重んじようと決めました。 

わたしはウインザーを失望させたとは思っていません。
できることをすべてやらなかったという悔いもありません。 
医療の手を尽くす獣医を探そうと思えば探せましたが、費用の問題ではなく、
あきらめた訳でもありません。

それまで過去に動物を、自分のために延命してつらい思いををさせてしまった経験があるから決めたのです。
できることをすべてやらなかった後悔でなく、やりすぎてしまった後悔があるからです。

変な言い方ですが、わが犬との最期の数ヶ月、わたしは命を救おうとするのではなく
誰も経験したくない、わが犬が死に行く途を共に歩む勇気を奮い立たせることにエネルギーを使いました。

ウインザーが快適で、毎日を楽しめるには必要なことをすべてしました。 
そして最期の時はうちで誰にも邪魔されずに自分の命を終えたいというウインザーの希望を尊重しました。

心を開放して心の耳で聞くと、犬はどうしたいか教えてくれるのです。
そしてウインザーがこの世を去る時はわたしがこれまで立ち会った最も美しい瞬間となりました。

ジュデイ、あなたを思うと心が痛みます。 でもクリオにとって何がベストかきっとわかると思う。
どんな決断をするにしても我々はみなあなたをサポートします。

ジェーンより



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posted by Angie Mom at 21:31 | Comment(8) | ナチュラルウエスティ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日Mayの同胎犬ももの命日でした。
もしかしたらももがMayだったかもしれないとももが亡くなった日からずっと思っています。
Mayにも必ず最期は来る。それはまだ先かも、もしかすると明日かもと常に思うようになりました。
どんな最期であろうと私は覚悟を決めています。
覚悟を決めてMayとの生活を始めたのですから。
でも、もしもくじけそうになったら、今日読んだこの記事のことを思い出します。
『犬はどうしたいのか教えてくれる』
その声を聞けるような飼い主でありたいと思います。
ありがとうございます。
Posted by メイママ at 2012年05月16日 00:18
私は今だ経験がないのですが、今生の別れの時を考える事は多々あり、
不甲斐なくも涙が出そうに溢れます。
先日、公園での散歩途中、下半身・車椅子のワンちゃんに出会いました。
飼い主さんご夫婦と短い会話ができたのですが、
実に朗らかで優しい方達で、気負いなど微塵も感じられませんでした。
今の自分には逆の立場ではきっと出来ないような気がしました。
最後ではなく、「最期」をどう共に生きるか。
そんな事は考えたくもないけれど、やはり考えずにはいられませんね。

Posted by R&A at 2012年05月16日 21:13
メイママさん
こちらこそ、コメント有り難うございました。共有して良かったです。
わたしは、安楽死のタイミングを決めることが一番耐えられないと思っていたんですが、わたしも本人の意思を尊重したいと思います。
Posted by Angiemom at 2012年05月16日 22:36
R&Aさん

R&Aさんは優しい方だから、きっと重いと思います。
わたしもその時は逃げないで誠実に取り組みたいと思います。
Posted by Angiemom at 2012年05月16日 22:41
素敵なメッセージに出会い、あらためて私の覚悟を考えてみました。

痛みや苦しみを取り除く、もしくは軽減するのが人ではない家族への最善の治療と思っています。
でも、それは、命の最後を飼い主が決める事だとは思えません。

最期の時まで寄り添い、いたわり、安心して虹の橋に旅立てるように・・

今を大切に過ごしたいと思います。
Posted by のんちゃんママ at 2012年05月17日 19:57
難し選択ですね。。
その時自分がどうなるか解りませんが・・・
今思う事は
どう生きたかが大切であろうと言う事です
そして尊厳死も意味ある事と今は言えますが
その時になったらどう自分が感じ判断するのか
今は理論で考えられますが感情の変化は
ありうるかもしれませんね
Posted by Piccolo at 2012年05月19日 19:25
のんちゃんママさん

すべては飼い主の責任ですが、それをも我が犬はきっと受け入れてくれるでしょう。 犬の覚悟に応えてやりたいです。
Posted by Angiemom at 2012年05月19日 21:31
Piccoloさん

ジェーンさんの、誰も経験したくない、死に往くわが犬とともに歩む勇気を奮い起こす...ことに注力した、の言葉は重いです。 どの選択にせよ、最期が美しいと思えるのは本当に寄り添った証左なのでしょうね。
Posted by Angiemom at 2012年05月19日 21:38
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